教育

徒歩での幼稚園登園。徒歩だからこそ、見えてくる景色がある。

わたしは、約4年間、3人の子どもを連れて徒歩で保育園・幼稚園に送迎していました。

3人の乳幼児を連れての徒歩送迎は、暑い日・寒い日・荷物の多い日・雨の日、子どもたちがぐずった日・・・大変なこともたくさんありました。

でも、徒歩だからこそ見える景色があるんです。

仕事をしながら、子どもたちの教育は大変ですが、毎日の送迎の時間でも『学びの場』になるんです。

何気ない「送迎時間」を十分に活用すれば、家庭学習の助けになること間違いなしです。

四季の移ろい、気候の変化を肌で感じる

歩いていると、季節の変化を存分に感じることができます

暖かい日・寒い日、雨の日、風の強い日、など気候の変化や、花の匂い、雨が降る前の匂い、そんなことにも気付けます。

また、空を見上げれば月も見えますし、飛行機や飛行機雲を見れることも。

足元に目を向ければ、道端の花、草木に出会います。

朝咲いている花でも夜はしぼんでいる、そんなことに気付いたり、このつぼみはいつ咲くかなとワクワクして待ったり。

そして、その花の蜜を吸う虫たちに出会ったりもします。

このように、外は刺激的なことがたくさんあるので、子どもは五感をフルに使って自然を感じるのです。

そして、同じ登園ルートでも、毎日違う自然の様子を見ることができるので、飽きることがありません。

①道端に咲いている草花にも目がいく

園までの道には多くの草花が咲いていました。時には、実をつける植物もあって、黄色い実を見つけた時はとても喜んでいました。

つぼみを見つけては「いつ咲くかな?どんな花が咲くのかな?」と楽しみにしていました。

♢このお花もう枯れちゃったの?→花が咲くまでは時間がかかるけど、キレイな花を見れる期間は短い。

♢あれっこれお花の後に何かできているね→花は枯れてしまったけれど、その後に種が残る。

♢最近花がたくさん咲いているね→春になり暖かくなると、たくさんの花が咲く

道端の植物も、毎日見ているとその変化に気付いたり、疑問を持ったりします。

時には、自宅にある『野の草花』という本を抱えて、登園途中のお気に入りの花の名前を調べることもありました。

こうして、自分で気づき、それについて考えるこの行動は、今後の「行動力」や「問題解決力」を養うのに大変役に立つのです。

②楽しい雨の日

雨の日の送迎は本当に大変です。

でも、雨の日って子どもたちは楽しそうなんですよ。

レインコートを着て、長靴を履いたり、お気に入りの傘をさしたり。道にできた水たまりでジャンプしたり。

♢「傘を開くのって難しいな」

♢「傘をさしながら歩くって大変だな」

♢「傘をさしていたのに濡れちゃったよ」

♢「見てみて、水たまりに自分の僕の顔がうつっているよ」

そんなことを口々の話しながら、登園していました。

子どもたちにとっては、雨の日は傘の使い方を実践的に学べる場ですし、水たまりは雨の日に出会える楽しいものなんですね。

■桜の季節には、雨の翌日の桜の木を見て「あっお花がなくなっている」と言っていました。

そして、道路に落ちたたくさんの花びらを見て、「あっ雨が降ったからお花がなくなっているんだね」と自分なりに理由を考えて、わたしに教えてくれました。

■雨の日のクモの巣は子どもたちのお気に入りでした。

水滴がついてキラキラして、目を奪われていました。

雨の日のクモの巣は晴れの日よりもくっきりと形が見えるので、「へーこんな形なんだね、大きな巣だね」

そんなことを話していました。

このように実際に体験して、試行錯誤して使えるようになる、『雨の日』にしか現れない状況にワクワクする、そんな子どもたちの様子を見ていると、雨も悪くないなと思えるのです。



③月の満ち欠けに気づく

帰り道の月は本当にいいものです。

・「お月様、昨日より少し大きくなってない?」

・「今日はやせっぽちのお月様だね」

日々の月の様子を自分なり言葉にして教えてくれます。

特に満月はとても美しく、子どもたちも大喜びです。

わたしは9月の月には特に注目していて、よく『月』の話をして帰っていました

なぜかというと、十五夜のお月見という日本の秋の風物詩を子どもに教え、体感してもらいたいからです。

「今日は満月だね」「今日は、十五夜と言って、収穫に感謝して御供物をするんだよ」

と説明します。

実際、団子をピラミッド型にお供えしたり、ススキをとってきたりとそこまではできませんでしたが、現代風にアレンジして『お月見』を楽しみました

庭で月を見ながら、虫の音を聞いて、団子やお菓子を食べる

夜風もとても気持ちよくて、日々の疲れも吹き飛ぶ瞬間でした。

ゴミ出しの日のカラス

幼稚園までの道に、ゴミ捨て場がいくつかありました。

ゴミ出しの日を楽しみにしている動物といえば、そう、カラスです。

その日は、幼稚園に行くまでにたくさんカラスを見かけます。

ゴミの中から発見した、ごちそうを加えて飛んでいるカラスもいます。

「あっカラスが何かくわえていたよ」

と、興奮して話してくれたこともあります。

カラスは頭のいい鳥で、あっと驚くような知恵を使って食べ物を獲ることは、よく知られていることです。

今日はカラスが多いね。なんでかな?

あっ食べ物を探しているんだね。

実はね、カラスってとても頭のいい鳥なんだよ。こんなこともできるんだよ。

と、カラスが知恵を使って獲物をゲットするエピソードをいくつか説明しました。

今までは「黒い鳥で、名前はカラス」ってだけの知識しかなく、カラスに特に興味関心もなかった子どもたちも、一気に「カラス」という生き物に引き込まれました。

一見すると学びとは関係のなさそうな情景でも、語りかけ一つで学びの場に変わります。

交通マナーを教える

送迎の時間は、交通マナーを教える絶好のチャンスです。

しかも、毎日繰り返し教えることができるので、習慣づけにもなります。

♢信号が青色のなったら渡る。

♢青になっても、周りを確認してから渡る。

♢横断歩道のないところを渡るのは危険だよ。

♢右見て左見て、また右を見て渡る。

このようなことを、毎日毎日繰り返し教えて身につけさせます。

雨の日は、これにプラスして教えます。

♢傘をさすと、いつもよりも周りの様子が見えにくくなるから、十分に注意する。

♢雨の日は滑りやすくなっているから、気をつけて歩くのよ。

と、『雨の日っていつもと違うんだよ』『いつも以上に気をつけるのよ』ということを、繰り返し説明します。

おうち英語のフレーズで語りかけ

おうち英語を始めているご家庭であれば、送迎時間も語りかけのチャンスです。

登園時に使えそうなフレーズを事前にいくつかリストアップしておきましょう。

♢Go forward.(前をみて)

♢Turn right.(右に曲がるよ)

♢Keep to the side.(端に寄ってね)

♢Nice weather today.(いい天気だね)

♢It’s hot today.(今日は暑いね)

♢Hold my hand.(手を握って)

♢Walk slowly.(っくり歩こうね)

少し慣れてきたら、

♢What’s the weather today?(今日はどんな天気?)

♢What color is this flower?(この花は何色?)

このように問いかけを質問形に変えてみてもいいですね。

地域の方との関わりを学ぶ

登園途中では、近所の方とお会いします。

通勤途中の方や朝の散歩をしている方、同じように幼稚園に登園しているお子さん、色々な人との出会いがあります。

よく会う人であれば、顔見知りになってあいさつ以外の話をすることもあるでしょう。

ここでは、「笑顔であいさつをしようね」ということを教えました。

大きな声で、笑顔であいさつすれば気持ちいいし、相手もあいさつを返してくれるよと。

まずは、親があいさつする姿を見せる、これが大切です。

子どもに「ほら、あいさつしなさい」

と言ってしまうのは簡単ですが、それではさらに嫌がったり恥ずかしがってしないこともあります。

出会った人に、親がきちんとあいさつする姿を見れば、子どももつられてあいさつしたり、「あいさつするっていいな」と感じてくれるはず。

子どもの手本になりましょう。

あいさつは礼儀であり、あいさつすることは大切なことだよと教えましょう

おわりに

車に乗ると一瞬で通り過ぎてしまう道でも、歩いて通ると毎日違った発見があります。

ですから、子どもをよく見て、どう語りかけて、脳を刺激するかを考えていました。

どんなことでもいいのです。

送迎の間にどんなことが教えられるのか、どうやって教えたらいいのか、そこは親御さんの腕の見せ所です。

幼稚園と家の間の何気ない道でも、考え方次第で、どれだけでも学びにつなげることができるのです。

子どもの興味の対象を察知して、どう語りかければいいのか、考えてみましょう。

いつもの登園の時間に、彩りがうまれるかもしれませんよ。